家づくりに役立つコラム

 
家づくりに役立つ話をコラム形式で定期的に発信したいと思います。
家づくりに役立つ話をコラム第3回目は、資金計画のお話をしたいと思います。

注文住宅における資金計画のポイント

注文住宅における資金計画について

 
家づくりを始めるにあたり、最も気になるのは「ご予算」のことだという方はとても多いと思います。一生で一番高い買い物である「家づくり」ですので、そこをしっかりと計画して進めることは非常に重要です。
しかしながら、その資金計画を「なんとなく」のままスタートしてしまい、土地探しや住宅会社選びを進めるなかで少しずつご予算を決めていく、という方も意外と多いのも事実です。結果的にうまくいけばよいのですが、ケースによっては「途中で予算不足になったり」「予算を低く見すぎてて満足できない家になってしまったり」というようなこともよくお聞きします。
そんな結果を防ぐためにも、「なんとなく」ではなく、ある程度しっかりと計画を固めてから動く方が間違いが少ないと思います。
 

「間違いのない資金計画」

では、どのような流れで資金計画を進めればよいのかを、ここで解説したいと思います。
まず、マイホーム取得の際の資金源を分類してみると以下の2つしかないことがわかります。
 

A 自己資金
B 住宅ローン

 
Aについては、自分たちの貯蓄がどれだけあるか、その中からどれだけ住宅資金に充当できるか、ということを考慮して決めることができるので、そんなに難しいことではないと思います。
また、親からの援助が期待できる方は、そこも相談しながら計画できると思います。この親からの援助については、贈与税の控除という制度がありますので、可能な方はご利用すると良いでしょう。
 

「住宅ローンの3つの要素」

問題なのはBの住宅ローンです。
多くの方が初めて利用すると思いますので、「どれくらい借りたらよいか」「どのくらい貸してくれるのか」など、よくわからない事も多いと思います。
この住宅ローンの要素も3つに分解できます。
 

① 月々の返済額(ボーナス時の返済額)
② 返済年数
③ 金利
 

まず、大事なことは①の月々(ボーナス時)の返済額どのくらいに設定するかということです。現在のお住まいが賃貸の方は家賃額をベースにして、おおよそでも目安を決めた方が良いです。
 
②の返済年数については、その時点の年齢もあると思いますので、最長で何年借入可能かも決まっています。ちなみに多くの金融機関は最終返済時年齢が80歳なので、45歳以下の方は最大35年借入が可能ということになります。45歳を超える方は「80歳―現在の年齢」で計算してみてください。
 
③については、少し複雑になります。まず、金利は世の中の情勢によって変わるということを認識してほしいです。そして「固定金利」と「変動金利」があり、どちらを選ぶかも長期的に考えて選択するべきだと思います。
「固定金利」は、借り入れした時点の金利が変わらないという金利です。「3年固定」とか「5年固定」というような住宅ローンもありますが、これはその期間のみ固定金利で、以降は変動に代わるというケースがほとんどです。
35年固定」という住宅ローンは、返済が終わるまで金利が変わらないという住宅ローンで、ほとんど民間の金融機関の商品では扱っておらず、「フラット35」のような政府系の金融機関で扱っている住宅ローンです。
 
一般的には、借り入れ時点の金利は「変動金利<固定金利」というケースがほとんどです。
どちらを選ぶかはみなさんの価値観次第ですが、「短期的な視点」と「長期的な視点」でご判断されると良いと思います。
 
①月々(ボーナス時)の返済額②返済年数③金利 を決めて計算すると、住宅ローンとしての借入金額がはじき出されます。それに自己資金を足した金額が家づくりにかけられる総予算ということになります。
もちろん、「その借入予測金額を貸してもらえるのか」という問題は残ります。これは、お客様の年収や勤務先、勤続年数、他の借入金などによって、それぞれの金融機関独自に審査をします。できれば早めに仮審査などを受けてくと更にスムーズに進んでいくでしょう。
 
このように「総予算=自己資金+住宅ローン」の目安を決めてから、家づくりを本格的に進めていくことが成功する家づくりの第1歩になるはずです。
 
前回のコラムでも書きましたが、土地探しから始める方は特にそうです。
「総予算」=「土地購入費」+「建築費」+「諸費用」となりますので、総予算をしっかり算出してから、それぞれの配分を決めることが重要です。そうしないと、「土地に予算をかけすぎて満足する家にならなかった」というようなことが起こりえます。
 

「ファイナンシャルプランナーによるライフプラン」

私がお勧めする大まかな資金計画の流れは、以上のようになるのですが、ここで多くの方がぶつかる課題があります。
それは、「現在の自己資金をどこまで使っても良いのか」「月々の返済をどこまで大丈夫なのか」という課題です。住宅ローンは最大35年続きますので、その間に自分たちの家族で起こりうることしっかりと検討したうえで決める必要があります。
しかし、自分たちだけでそれを決めるには不安も大きいのではないでしょうか。
そこで、私がお勧めするのが「ファイナンシャルプランナー(FP)による「ライフプランの見える化」です。これから長い年月を家族と暮らす中では、子供の教育費など、決まった時期にお金がかかることもありますし、返済の途中で定年を迎える可能性もあります。
そのあたりをプロのFPによる第三者の視点で「ライフプラン」を作成してもらうことで、長期的な視点で返済計画を決めることが可能です。そこでは「ここまでは大丈夫」「これは危険」などのような、お客様の家族の状況に応じてアドバイスももらえます。
 
ちなみに、ドゥハウスでは提携しているFPがおりますので、ご希望の方にはこの「FP相談」を個別で行っています。「ヒアリング」と「ライフプラン提案」の計2回をZOOMなどのオンラインでFPとつなげて行います。今のところお客様へのサービスの一つとして行っているので無料でやらせていただいております。
これまでもたくさんにお方にご利用いただいていますが、とても好評なのでご興味のある方は是非ご相談ください。

 
冒頭にも述べましたが、家づくりは「一生で一番高い買い物」です。
「資金計画」をしっかりと考え、計画的に進めていただくことで満足するマイホームが実現すると思いますので、今回のことを参考にしていただければ幸いです。
 

ドゥハウス(株)ハウスプランナーハネイシ 代表取締役 羽石明人 

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